鋼材価格高騰の原因は何が影響している?今後の動向も含めて解説
2023.11.02

鋼材価格高騰の原因は何が影響している?今後の動向も含めて解説

鉄骨や鉄筋などの鋼材は、建物のマンションや商業施設、物流施設を建設する際に主に使用される資材となっています。鋼材の価格は2020年から大幅な価格高騰を続けて高止まりし続けています。新型コロナウイルス感染症によるパンデミック、ウクライナ危機による国内外のインフレと円安が加速、海外の需要拡大が大きな要因ではあるものの、日本国内の事情も複雑に絡み合って、鋼材価格高騰は建設資材物価や建築価格上昇に反映しています。

目次

鋼材価格高騰の原因

2020年初頭の新型コロナウイルス感染症の流行により、鋼材は世界的に需要が低下しました。しかし、経済活動が再開すると、急激な需要回復が発生し、鉄鉱石、原料炭、鉄スクラップなどの原料価格が上昇しました。この原料高は、鋼材メーカーが生産コストを上昇させ、製品価格の値上げにつながりました。

海外情勢による影響

2022年2月24日から始まったロシアのウクライナ侵攻は、世界中の経済に大きな影響を及ぼしています。ロシアはエネルギー大国として知られる一方で、銅、パラジウム、ニッケルなどの金属の生産国でもあります。このため、西欧諸国による経済制裁の影響を受け、エネルギー価格だけでなく、銅価格にも影響が及びました。その結果、銅の国際価格は史上最高値を更新しました。

円安による影響

鋼材価格に影響を与える要因として為替の変動も影響しています。メーカーは為替の変動に大きく左右され、円安の状況は原材料価格の上昇をもたらし、さらに輸入されるエネルギー価格を高めます。これにより、鋼材の製造と輸送にかかるコストが増加し、最終的には資材価格の高騰につながっています。

新型コロナウイルスの流行

2020年初頭から始まった新型コロナウイルスの大流行も、鋼材価格の高騰に寄与しています。多くの国が新型コロナウイルスの感染拡大を抑えるためにロックダウンなどの措置を取り、経済活動が停止しました。この影響により、銅鉱山の供給が滞り銅価格が急上昇、さらに、経済が低迷した後、中国をはじめとする多くの国々で景気が急速に回復しました。

資源原料不足の影響

金属資源の相場上昇と物不足は、日本だけでなく世界中で問題となっています。各メーカーが資源を競合しているため、市場から資源が消える状況が起きました。特に日本では円安が進行しており、日本の高品質な金属合金は海外で非常に人気があり、輸出が活発でした。これにより、銅の需要が一層高まり、価格高騰が進行しました。また、真鍮の主要成分である銅も影響を受けました。したがって、銅が物不足になるか、価格が上昇すると、真鍮の価格も上昇することが避けられません。

鋼材需要の見通し

2023年度第3四半期(10-12月期)の国内鋼材需要量は2,050万トンと予測されています。前年同期比では▲0.6%で横ばいの見通しです。前期の実績に比べると、+1.3%とわずかに増加する見込みです。ただし、中国は景気回復が鈍く、不動産市況の低迷などが国内の需要に影響を与えており、中国および周辺国への影響に警戒が必要です。輸出が主要な要因となるため、先行きには不透明感があり、需要の下振れリスクにも留意する必要があります。

 粗鋼生産の推移

  2018年度 2019年度 2020年度 2021年度 2022年度 2023年度
1Q 26,564 26,116 18,110 24,348 22,984 22,214
2Q 25,653 24,547 18,975 24,075 21,820 21,955
3Q 25,699 23,652 21,988 24,202 21,410 22,330
4Q 24,970 24,113 23,012 23,012 21,623
合計 102,886 98,427 95,637 95,637 87,837 66,499
(単位:千トン)

注1)2023年度第2四半期は実績見込み、2023年度第3四半期は見通し。

出典:経済産業省「2023年度第3四半期(2023年10-12月期)鋼材需要見通し」

まとめ

鋼材価格は鉄スクラップ価格の変動に追随し、変動には約3か月から1年かかります。そのため、資材価格の変動には時間がかかることを理解する必要があります。現在、資材価格が高止まりしており、業界では資材調達に苦労している声が多く聞かれます。資材価格の高騰が続くなか、資材不足を避けるためにも中古資材での調達も考える必要があります。

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