足場材の壁つなぎとは?重要性と設置基準を解説!
足場材の壁つなぎは、足場を建物や壁などに固定する際に利用する部材です。
建物や壁にしっかりと固定された足場は、作業員の安全を確保することができます。
壁つなぎが適切に利用されない場合、足場が傾いたりずれたりすることで、危険な状況や最悪の場合事故に繋がる可能性があります。
利用に当たり、壁つなぎは労働安全衛生規則で設置基準が設けられています。
今回はそんな壁つなぎを解説いたします。
目次
壁つなぎとは?
足場材の壁つなぎは、足場を建物や壁などに固定する際に利用する部材です。
利用ケースとしては、まず壁つなぎを取り付けるために外壁に穴をあけます。
多くの場合、壁の下地にある木造の柱や梁、鉄筋コンクリートの場合は鉄骨やコンクリートにネジまたはアンカーを打ち込むか溶接を行い、そこへ壁つなぎを設置します。
足場の解体時には壁つなぎを取り外し、穴を補修して作業は完了になります。
壁つなぎの重要性
安定性の確保
正確な壁つなぎの設置により、高所での作業時に作業員が安全に行動できるようになります。
建物の保護
しっかりと固定された足場は建物に無駄な負荷をかけず、作業時の壁面や構造物の傷みを最小限に抑えます。
法規制と規定の遵守
壁つなぎは法規制に従い、適切な利用を行うことで安全な作業環境を整える役割を担います。
壁つなぎの設置基準
壁つなぎの設置基準については労働安全衛生規則第570条に記載があります。特に設置する間隔については足場の種類ごとに基準が変わるため、注意が必要です。壁つなぎの間隔は単管足場の場合、縦5m以下、横5.5m以下と定められています。
枠組足場の場合、縦9m以下、横8m以下と定められています。
なお、くさび緊結式足場の場合も壁つなぎの間隔は単管足場と同様となります。
風による荷重が大きい場合は、風荷重の影響を考慮するだけではいけません。
一側足場(※)で施工する場合は、足場の構造が軟弱であるため、高さを3.6m以下とするという仮設工業会の基準があります。
※労働安全衛生規則の改訂に伴い、令和6年4月1日から一側足場の使用範囲が明確化されます。幅が1m以上の箇所において足場を使用する際は、原則として本足場を使用しなければなりません。
また、建物の構造から壁つなぎの設置が嫌がられることが多くあります。
敷地が狭く足場の外側に控えを設けることが困難な場合は、厚生労働省のガイドラインによれば「全周を緊結した構造とすること」としています。
設置の際の注意点
設計と計画
足場の壁つなぎは、建築の設計段階から計画するといいでしょう。
適切な位置と間隔、使用する材料の選定などを事前に計画に含めましょう。
耐荷重の確認
壁つなぎに使用する金具やアンカーの耐荷重を、該当の建物に合わせて確認します。
建物にかかる負荷を十分に考慮した適切な利用を行いましょう。
正確な取り付け
不適切な位置に取り付けると、足場の安定性が低下します。
事故にも繋がる可能性があるので気を付けましょう。
定期的な点検とメンテナンス
足場の壁つなぎには定期的な点検とメンテナンスが必要です。
特に長期間使用する場合は、錆や腐食などによる劣化をチェックし、必要に応じて補修や交換を行いましょう。
壁つなぎの種類
以下に主要な種類とサイズ、重量をまとめております。建物と足場の距離に応じて、適切な種類をご使用ください。
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まとめ
壁つなぎは足場を建物や壁に固定する際に使用する重要な部材であり、作業員の安全を確保する役割があります。壁つなぎの不適切な利用は危険な状況を招き、事故のリスクを高めます。
そのため、労働安全衛生規則による設置基準を遵守することが必要です。
また、設計と計画の段階から正確な取り付けを行い、定期的な点検とメンテナンスも欠かさず行うことで、足場の安定性を確保し、作業員の安全と効率的な作業環境を実現することができます。
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