枠組足場やくさび式足場、単管足場などの規格を安全面・施工面・管理面から全面的に洗い直した次世代規格の足場「次世代足場」。今回はこの「次世代足場」とは何なのか、特徴やメリット・デメリットについてご紹介します。
次世代足場とは?
次世代足場とは、現在多くの工事現場で使用されている「くさび式足場」「単管足場」「枠組足場」などの規格を「安全面」・「管理面」・「施工面」から全体的に洗い出した次世代規格ともいえる足場です。
昨今の社会課題である、「労働力不足」・「安全性の低下」・「作業負担の軽減」を解決するために開発された経緯があります。
▼次世代足場の種類
商品名 |
メーカー |
アルバトロス | アルインコ株式会社 |
ファステック |
JFE機材フォーミング株式会社 東阪工業株式会社 |
ダーウィン | 日建リース工業株式会社 |
ミレニューム | アサヒ産業株式会社 |
Iqシステム |
株式会社タカミヤ 光洋機械産業株式会社 |
SPS | 信和株式会社 |
トビライン | 株式会社三共 |
Final A type | KRH株式会社 |
Lock series | 平和技研株式会社 |
レボルト | 株式会社ダイサン |
次世代足場の特徴
多くの工事現場で使用されている足場は、作業を行う際にヘルメット、安全靴を着用するため、常に背を低くして作業をしなければなりませんでした。また、作業中の墜落・転落防止のために労働安全衛生規則が改正され、足場作業における安全基準が大きく高まってきています。
次世代足場は、くさび式足場のシステム足場で先行手摺が標準装備されており、階高が1800mm〜1900mmとより広い空間で作業を行うことができることが特徴です。また、次世代足場の緊結部には抜け防止の処理がしてあるため、より安全に作業が行えるのも特徴の一つです。梱包性が高いため、保管・運搬効率が良くなり、保管スペースや運搬コストの削減にも繋がっています。
次世代足場のメリット・デメリット
次世代足場のメリット
-
足場の空間が広く作業効率が高まる
- 先行手摺により安全性の高さ
- 床の隙間がなく安全に作業ができる
従来の規定
- 床材の隙間を3cm以下とする
- 床の幅を40cm以上とする
- 建地と床材の隙間を12cm未満とする
- 保管・運搬効率がいい
- 先行手摺工法による手摺の設置
こうした背景から、次世代足場・くさび式足場には、足場の組立システム内に先行手すり材がセットされています。
- 抜け止め防止手摺
手摺と支柱接合部に抜け止め機能を設置しています。
- 大組み、大払しの対応
次世代足場のデメリット
- 許容荷重を増やすための補強材が必要
次世代足場は枠組足場と比較して部材単体の許容荷重は少なくなっています。ですが、専用の補強材を使用して組み立てることで、許容荷重を増加させることができます。そのため、補強材を使用する場合、施工の手間がかかってしまいます。
- 各メーカーで規格が異なるため「互換性」がない
各メーカーで販売されている次世代足場には、各メーカーで規格が異なるため互換性がありません。そのため、専用部材を揃える場合、初期費用が高くなります。
まとめ
今回は、現在多くの工事現場で使用されている「くさび式足場」「単管足場」「枠組足場」などの企画を「安全面」・「管理面」・「施工面」から全体的に洗い出した次世代規格の『次世代足場』についてご紹介しました。