安全性を高めた「次世代足場」について徹底解説!
2023.06.30

安全性を高めた「次世代足場」について徹底解説!

枠組足場やくさび式足場、単管足場などの規格を安全面・施工面・管理面から全面的に洗い直した次世代規格の足場「次世代足場」。今回はこの「次世代足場」とは何なのか、特徴やメリット・デメリットについてご紹介します。

次世代足場とは?

次世代足場とは、現在多くの工事現場で使用されている「くさび式足場」「単管足場」「枠組足場」などの規格を「安全面」・「管理面」・「施工面」から全体的に洗い出した次世代規格ともいえる足場です。

昨今の社会課題である、「労働力不足」・「安全性の低下」・「作業負担の軽減」を解決するために開発された経緯があります。

▼次世代足場の種類

 商品名

メーカー
アルバトロス アルインコ株式会社
ファステック

JFE機材フォーミング株式会社

東阪工業株式会社

ダーウィン 日建リース工業株式会社
ミレニューム アサヒ産業株式会社
Iqシステム

株式会社タカミヤ

光洋機械産業株式会社

SPS 信和株式会社
トビライン 株式会社三共
Final A type KRH株式会社
Lock series 平和技研株式会社
レボルト 株式会社ダイサン

次世代足場の特徴

多くの工事現場で使用されている足場は、作業を行う際にヘルメット、安全靴を着用するため、常に背を低くして作業をしなければなりませんでした。また、作業中の墜落・転落防止のために労働安全衛生規則が改正され、足場作業における安全基準が大きく高まってきています。

次世代足場は、くさび式足場のシステム足場で先行手摺が標準装備されており、階高が1800mm〜1900mmとより広い空間で作業を行うことができることが特徴です。また、次世代足場の緊結部には抜け防止の処理がしてあるため、より安全に作業が行えるのも特徴の一つです。梱包性が高いため、保管・運搬効率が良くなり、保管スペースや運搬コストの削減にも繋がっています。

次世代足場のメリット・デメリット

次世代足場のメリット

  • 足場の空間が広く作業効率が高まる

枠組足場の高さは約1700mmとなっています。そのため、安全靴とヘルメットを装着した場合、屈んで作業を行う必要がありました。ですが、次世代足場では、1800mm〜1900mmの高さを確保できるため足場内での作業がしやすくなっています。
他にも、枠組足場の建枠と違い支柱と手摺で構成されているため、部材が足場空間内に飛び出ていることもありません。このようなことから広い空間が作られている特徴になります。

  • 先行手摺により安全性の高さ
これまで足場を組み立てる際には、手摺がない状態で作業を行う必要があり、とても危険な作業となっていました。
先行手摺とは、下段から上段の手摺を取り付けることができる部材です。上段の組立を行うときには手摺が組み立ててあるため安全に組み立ての作業を行うことができます。また、解体時には手摺を残したまま解体できるため安全に作業を行うことが可能です。

  • 床の隙間がなく安全に作業ができる
労働安全衛生規制にて足場からの墜落・転落防止について法が改正されました。従来の規定では、床材の隙間と床の幅という項目が定められていたことに加えて、建地と床材の隙間についても新たに追加されました。

従来の規定

  • 床材の隙間を3cm以下とする
  • 床の幅を40cm以上とする
追加の規定
  • 建地と床材の隙間を12cm未満とする
  • 保管・運搬効率がいい
枠組足場と比較して、くさび式足場と同様に部材が分割されたことから材料がかさばらないため、保管や運搬効率が大幅に削減されました。そのため、コスト削減にも繋がります。

  • 先行手摺工法による手摺の設置
建設業における災害は、足場からの墜落災害が高い割合を占めています。そのため足場からの墜落災害を撲滅することは、建設業における最重要課題です。そこで、課題を解決するために「手すり先行工法に関するガイドライン」が策定されました。

こうした背景から、次世代足場・くさび式足場には、足場の組立システム内に先行手すり材がセットされています。

  • 抜け止め防止手摺

手摺と支柱接合部に抜け止め機能を設置しています。

  • 大組み、大払しの対応
足場の種類によっては、1本ずつ解体していく必要がありましたが、足場として完成しているものをクレーンを使用して組み立てていくことができ、また解体時も1本ずつ解体する必要がないため安全かつスピーディに施工と解体が可能です。

次世代足場のデメリット

  • 許容荷重を増やすための補強材が必要

次世代足場は枠組足場と比較して部材単体の許容荷重は少なくなっています。ですが、専用の補強材を使用して組み立てることで、許容荷重を増加させることができます。そのため、補強材を使用する場合、施工の手間がかかってしまいます。

  • 各メーカーで規格が異なるため「互換性」がない

各メーカーで販売されている次世代足場には、各メーカーで規格が異なるため互換性がありません。そのため、専用部材を揃える場合、初期費用が高くなります。

まとめ

今回は、現在多くの工事現場で使用されている「くさび式足場」「単管足場」「枠組足場」などの企画を「安全面」・「管理面」・「施工面」から全体的に洗い出した次世代規格の『次世代足場』についてご紹介しました。

 

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